インサイト 2017-10-31

Instagramは雑誌の代わりになり得るのか?:福島 江里奈

fukushima

インサイト(Insight) : 洞察、見識、知見

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トレンドアイテムが着こなせないと思ったら、プロの指南を求めよ

気温も下がってきてそろそろ本格的に冬支度を始める時期ですね。

筆者も先日ニットを新調しようと思い、ちょっと前にECで見たZARAのオーバーサイズのVネックニットを買ってみましたが、今まで買ったことのないオーバーサイズ感で着こなしのバリエーションがわからず、ちゃんと店舗で試着して店員さんにアドバイスしてもらえばよかったと、なんとなく買ってしまったことを後悔していました。

少し経って、コンビニで久しぶりに雑誌を立ち読みしていたら、オーバーサイズニットの着こなし特集があったので見てみると、「だらしなく見えないハズシ方」や、「濃淡の同系色で揃えるだけで一気におしゃれ感が増す」などのテクニック的なコピーと一緒に、そのお手本コーデがそれぞれいくつか載っていて、まずはその通りに組み合わせてみようかなという気持ちになり、雑誌ってこうゆうとき助かる!と必要性を再認識しました。

雑誌を買っていたときは気づいてなかったのですが、この、ハズシの入れ方のポイントや、上級者に見えるカラーの使い方などは、プロ目線の指南とそれを実証しているサンプルがいくつかないと再現するイメージがわくレベルまで腹落ちしないのではないでしょうか。これはECのスタイリング画像やInstagramの写真を断片的に見ているだけでは決して得られない汎用可能な普遍的な知識だと思いました。そこで、私を取り巻くファッションに関する情報(世界)を、教室に置き換えたときにどんな関係性なのか図に整理してみました。

Instagramと雑誌の役割の違いを認識せよ

いくら芸能人やインスタグラマーの写真を定期的にチェックしていても、そこに解釈や視点がないと腹落ちせずに、自分のおしゃれスキルとして溜まっていかないのはないでしょうか。フォローしている人のコーデを無意識に真似するようになり、新しい色使いにチャレンジしたり、着こなしのパターンを増やしてみたりと、ファッションの幅を広げるきっかけにはならないのだと思います。概念として自分のものにしないといつまでもクラスのリーダーのマネをしていて、自分なりに納得のいくおしゃれはできないのだと思います。

Instagramの国内における月間アクティブユーザー数は2000万人を突破し、facebookの月間アクティブユーザー数の2800万人に迫る勢いです。アクティブ率に関しては既にfacebookの56.1%を抜いて、84.7%まで上がっており、年代別で見ると、20代では人口の25%、30代では人口の約23%がInstagramを利用している状況です。(参照:【最新版】2017年10月更新! 11のソーシャルメディア最新動向データまとめ

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(画像出典元:https://gaiax-socialmedialab.jp/post-30833/)

そんな状況の中で、ファッションのプロである先生がすべきことは、「参考」としてコーデをディスプレイをするだけでなく、「なぜこのコーデに帽子が入るとバランスが良くなるのか」、「なぜあなたにはこの着こなしが似合うのか」という解釈を入れてあげることではないかと思います。
ECで買い物をすることが増えて店舗との接点が少なくなったり、雑誌を買わなくなると、ECランキング上位のものや、SNSで話題になったものが更に売れるという循環が生まれると思いますが、新しいテイストにチャレンジをしたい自分に似合う服が欲しいとなったときに、先生の存在は必ず必要になります。

クラスリーダーが乱立した今だからこそ、ブレない軸の提供を

InstagramやWEARなどのSNSコンテンツはあくまでクラスリーダーであって、個人に向けた提案やうまくいく法則的な情報は提供してくれません。筆者が考えるに、Instagramは雑誌や販売員の代わりになることはできないと思います。むしろ、そういったクラスリーダーが乱立しているときに、自分は誰について行ったらいいのかわからない人が増殖し、ファッションを面白く感じなくなってしまうような気がしています。ZARAや百貨店で導入されているパーソナルスタイリングサービスはそんな、「自分は何を着たらいいのかわからない人」に向けた服選びの軸を提供するサービスになっており、軸が見つかった人がその軸に合う着こなし例を見るためにSNSコンテンツを活用するというような流れが自然だと思います。そういった意味でもこれからは、よりパーソナルで腹落ち感のある情報提供力がプロの現場で求めらるのではないでしょうか。

オムニチャネル推進チーム
アソシエイト・コンサルタント

福島 江里奈

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